夏の釣り

渓流の釣り上がり、ドライフライのニジマス釣り。

定番ビッグ・ドライフライ、スティミュレーターに出た盛夏のニジマス。
定番ビッグ・ドライフライ、スティミュレーターに出た盛夏のニジマス。

 初夏になれば北海道のほぼ全域で釣りが楽しめるようになる。よいタイミングで川に入ることができれば、思わぬ幸運に恵まれることも。タックルはフライサイズや種類、投げる距離に合わせて用意したい。ラインはそれらに適合するラインを使う。

 本格的な夏を迎える頃になると平野部の川ではライズの時間帯が朝・夕に移行し、水生昆虫から無数の陸生昆虫にマスの興味が変わっていく。ヒゲナガカワトビケラの大量羽化なども始まるようになり、夕方からは本流のニジマス釣りを楽しむのもいい。

 立秋を過ぎれば、十勝エリアの気温は日によって35℃程度まで上昇する。日中はタフな釣りをしいられることも少なくない。時に台風によって川が増水したり濁流になることもあるけれど、台風の前後は夏の大ものを釣るチャンスです。ハイシーズンで釣り人が多い季節だから平日がおすすめ。盛夏のイブニングライズの釣り>

盛夏は涼を求めてヘッドウオーターでオショロコマ釣り。

オショロコマは北海道が世界に誇る貴重なネイティブ。
オショロコマは北海道が世界に誇る貴重なネイティブ。

 平野部が30℃を越えるような真夏日が続くようになったら、源流にオショロコマ釣りに行くのが楽しい。川岸にフキやクマザサを擁するようなヘッドウオーターの釣りは、ドライフライにゆっくり顔を出すオショロコマと遊びながら、オゾンが濃く漂う森の中で涼をとるのにいちばんいい。

 この可憐な北海道のネイティブを釣りに行く時こそ道具選びが大切。短いロッドなら釣りがフェアになって面白さばつぐんの”遊び”になる。ショートレンジでオショロコマとのやりとりを余すところなくぞんぶんに楽しめるよう、しなやかな竹やファイバーグラス素材のものもよい。小さな相手に大まじめで ”侘び寂び” までを味わう江戸前のタナゴ釣りよろしく、見合った道具で遊んでこそ楽しいし、道楽のまことの粋ってものです。

 晴れた日なら速乾性が高くて風通しのよい麻のシャツがいい。白や生成などの色ならアブやハチにたかられることも少ない。そう、フライアングラーらしい洒落っ気をめいっぱい出して遊ぶのが、夏のオショロコマ釣りです。

晩夏になったら忠類川のカラフトマス釣りに。

シングルハンドでの1尾。ものすごいトルクで川を下ろうとするパワーはまさに海の魚です。
シングルハンドでの1尾。ものすごいトルクで川を下ろうとするパワーはまさに海の魚です。

 晩夏の声を聞く頃になったら遡上したカラフトマスPink Salmonをねらいに忠類川に行く。海でショアからねらうのも楽しいけれど、流れのある川で釣るカラフト釣りが楽しくないわけがない。忠類川から足が遠のいた人の中には「スレが多くて面白くない」という人が少なくない。たしかにスレ掛かりでは”釣った”感がなく、つまらないのも道理というもの。

 ご安心あれ! ポロシリの身上は、明瞭なアタリ、クリーンなストライクで釣るカラフトマス釣り。キャストからやりとりまで、すべてが最高に楽しいこと請け合いの釣りだ。タックルやリグのセットアップについては、事前にご相談あれ。ロッドは、レングスが長めのシングルハンドがいちばん簡便だ。なお、忠類川で釣獲調査(釣り)をするには、所定の機関への事前申請および別途利用料金が必要です。忠類川についてはこちら> 十勝でのガイド期間中に朝駆けで十勝から向かうもよし、1泊するもよし。中標津や釧路空港など最寄りの空港などでのピックアップも可能。アレンジは自由自在です。ガイド太鼓判の、晩夏のアクティビティー。楽しいぞ!

海や一部河川にシロザケをねらいに行く。

海のライオンと呼ばれるシロザケ。秋の北海道に来たら一度は釣ってみたい。
海のライオンと呼ばれるシロザケ。秋の北海道に来たら一度は釣ってみたい。

 晩夏から初秋になれば北海道の多くの河川でシロザケ、すなわちチャムサーモンの遡上が始まる。十勝では河口規制の期間および規制エリア以外の海や、河川では道東の標津町を流れる忠類川などがそのフィールドになる。北海道のシロザケはアトランティック(大西洋)ではなくパシフィック(太平洋)のサケ。種も違えば習性も違うから、より効果的にクリーンなストライクをつくるにはちょっとしたコツが。フライやリグ、タックルのセットアップはポロシリにご相談あれ。フッキングしたシロザケの走りは重く力も強いので、周りの釣り人とのトラブルを避ける意味でもリールはディスクドラッグのものがベター。海ならウキルアーの釣りも手軽で楽しい。なお、忠類川で釣獲調査(釣り)をするには、所定の機関への事前申請および別途利用料金が必要です。忠類川についてはこちら> 関連記事はこちら>

セミのビッグ・ドライフライで大型ブラウンねらい。

北海道のエゾゼミ、エゾチッチゼミ、コエゾゼミなどはブラウンの大好物。
北海道のエゾゼミ、エゾチッチゼミ、コエゾゼミなどはブラウンの大好物。

 エゾハルゼミはマスたちのエサとしてよく知られる存在だが、ハルゼミ以外にも十勝にはいくつかの種類のセミが生息している。なかでもエゾゼミやエゾチッチゼミは初夏から盛夏に羽化するセミで、夏のあいだじゅう生息域にすむマスの”ごちそう”になっている。

 十勝エリアにも限られた流域にブラウンが生息しているが、ニジマスはもとよりブラウンは本当にセミが大好き。だから、盛夏にも用意しておきたいのが上記のシケーダパターン。

 ナチュラルがこのサイズだから、フライのみならずルアーもいい。ことブラウンにかんしていうなら、クローラー系はもちろんお気に入りのトップウオーター・プラグとベイトキャスティング・リールで盛夏の渓流を遊ぶのも悪くない。フライでは、空気抵抗のあるバルキーなフライをデリバリーすることを考慮したタックルが基準になる。

New!

スティルウオーターで大型のマスをねらう。

丸々と肥った60cmを越えるアメマス。群れに出会えば連続で釣れることも。
丸々と肥った60cmを越えるアメマス。群れに出会えば連続で釣れることも。

 夏の北海道で一度は経験してみたい釣りの一つが、湖やリザーバーでのボートなどウオータークラフトの釣りだ。真夏のスティルウオーターの典型的なシナリオというべきマス釣りがとても楽しい。

 盛夏に入る頃から楽しめる、小魚を追いかけて捕食するマスたちのボイルをねらう釣りでは、船を停めてねらうことも少なくないし、ドリフトしながら釣るのもいい。水温が上がってさらに安定してきたら、ねらいどおりの場所にボートやフロートチューブを停められるよう慎重にアンカーを入れ、ねらったコラムを最適なラインと仕掛けで釣るのも楽しい。マスがいるスポットを見つけることができれば、夢のような大型が連続で釣れることも。

 バックキャスト・ルームがあるので、タックルはいずれもシングルハンド・ロッドがいい。詳しくはこちらのページをご覧あれ。用意すべき”釣れるライン”は、ご予約時にガイドにお問い合わせください。レンタルタックルもあるから道具がなくても大丈夫。まずは楽しんでみて。

スプリングクリークにブラウンやニジマスと遊ぶ。

さまざまなアプローチを駆使してマスとかけひきを楽しむ繊細な釣り。
さまざまなアプローチを駆使してマスとかけひきを楽しむ繊細な釣り。

 十勝にはイエローストーンのデピューズやモンタナのポインデクスター・スルーなど、世界の銘フィールドに負けないくらい素晴らしいスプリングクリークがある。水中でたゆたうバイカモの真っ白な花が咲く頃になったら、お気に入りの道具を手にこっそり遊びに行くのがいい。

 お相手はニジマスやブラウン。フライサイズや種類にマッチしたラインに、素材が竹やファイバーグラスの、8フィート以下のショートロッドを使うのがポロシリ流。ショートレンジのさまざまなアプローチを頻繁に行なうから、スティッフなグラファイトロッドはお留守番だ。

 フィールドの規模は箱庭のようだから、本州以南のヤマメ、アマゴ、イワナなどの渓流のフライフィッシングに親しい人にはぴったりの遊び。しかしながらロケーションは思いっきり北海道的だ。夢に描いたような流れでひときわ美しいマスと遊ぶひとときをどうぞ。ドライフライ中心の釣り。時に50㎝クラスのマスが飛び出してくることもあるから油断は禁物です。


 

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