The Way of Trout

The Way of Trout

 新年明けましておめでとうございます。さっそくですが、今年から本ウェブサイト内にブログを設置することにしました。日々のことなど、ぼちぼちポストしていくつもりです。よろしくご覧くださいせ。

 

 記念すべき初回ポストはショートムービー『The Way of Trout』のご紹介。このフィルム、郷里・熊本のプロショップ『アウトハウスススキ』さんの店主、須々木さんにすすめられて見たのが30年ちかく前のこと。当時は私も紅顔のティーンエイジャー(笑)。仲間たちに先んじて、噂の舶来遊びの海の向こうの実際を一人コッソリ知ったようで、

「これ……キテる……!!」

 とブラウン管を前に興奮で胸がドキドキしたのでした。

 

 ともあれ、文字どおりマスの一生と、マスをとりまく自然、そしてフライフィッシングとのかかわりを、これほど簡素高潔に美しく、しかもわかりやすく描いた秀作って、それ以降現在まであまり見たことがありません。

 ナレーションと並行してBGMとして挿入されているオケ(オーケストラ)も素晴らしく、まるで初期ディズニーの名作アニメーション映画『Fantacia』(1940年)のよう。しかるべき楽器群で、それぞれのシーンの演出意図にぴったり合わせて演奏・録音・編集されています。

 撮影や編集はもちろんのこと、台本やナレーション、演出にかなったBGMすべてにいたるまで、まさに微に入り細に入り。特機撮影などによる目をひくようなカットなどが皆無であるにもかかわらず、”言いたいこと伝わりまくり!”の濃密なショートフィルムに仕上がっています。不要な字幕がないところもいいよなー。

 登場するフライもカッコいい! ジンジャーケイヒル、ファンウイング・コーチマン、グーファスバグ……そう、往年の銘パターンたち。アングラーが使っているフライボックスがLITE-TUFF FLY BOXであるあたりも、かぶれやすいタチの私は見逃しませんでした(笑)。

 劇中、マスは流下するナチュラルにライズを続けているのに手持ちのフライには出ないため、アングラーが川っぺりでタイイングを始めるあたりの一連のシークエンスなんてたまらない。70年代前半から始まるアメリカにおけるマッチング・ザ・ハッチの釣りの一大ムーブメントを鑑みても、このフィルムの先見の明に頭が下がるばかりです。

 

 制作されたのは今から47年前の1969年。アメリカのロッドメーカーでは、二人の若きトム御大によってTHOMAS & THOMAS社が創業した年でした。話ついでに、一方で西のほうのトム御大……トム・モーガンさんがWinston社の社主になったのはそれから4年後の1973年。なんとも時代が忍ばれるというものです。

 製作元はごぞんじ『TROUT UNLIMITED』そして、当時フライ業界のご意見番的メーカーだった『Scinetific Anglers/3M』による1本です。なるほど! でしょう? 尺は約30分。お楽しみあれ。