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44th World Fly Fishing Championship 2025 チェコ共和国大会

ウェブサイトのトップ画面より。クリックすると試合の公式ウェブサイトにジャンプします。下はリザーバーと河川、計5つの試合会場(セクター)の詳細。クリックしてご覧ください。
ウェブサイトのトップ画面より。クリックすると試合の公式ウェブサイトにジャンプします。下はリザーバーと河川、計5つの試合会場(セクター)の詳細。クリックしてご覧ください。
公式ウェブサイトのPARTICIPANTSのページより。日本選手3名の名前も載ってます。がんばれ! 出場は世界31カ国。リストに目を通していくと一度は「競技をやめたのかな?」と思ってた選手が復帰していたりして嬉しい驚きが。クリックすると該当ページにジャンプします。
公式ウェブサイトのPARTICIPANTSのページより。日本選手3名の名前も載ってます。がんばれ! 出場は世界31カ国。リストに目を通していくと一度は「競技をやめたのかな?」と思ってた選手が復帰していたりして嬉しい驚きが。クリックすると該当ページにジャンプします。

チェコ共和国南ボヘミアで25日から。日本選手3名も出場

 今年も5月25日から31日まで、欧州のチェコ共和国の南ボヘミア(首都プラハから200kmほど南)で第44回世界フライフィッシング選手権が開催されます。場所はドイツやオーストリアの国境に近いエリアですね。

 今年日本チームからは、キャプテンの鈴木等さんはじめ、10年来の弊社のゲストである小野寺秀之さんら計3名の選手が出場します。どんな試合になるのか、とても楽しみです。がんばって! ポロシリでは、日々の試合のリザルトをどうお伝えしようか考え中です。

 最初に、よくご存じない方のためにこの世界大会の試合についてのみ簡単に説明します(ルールは大会ウェブに英文にて記載があります)。

 河川での試合=セッションでは、規定の時間、規定の区間(出場国の数に応じて複数の区間=ビートが設定される。今大会では3時間で150〜200mを釣る。どのビートを釣るかはドローによって決まる。選手が釣るビートの発表は当日目的地へ移動中のバスの中です)をバンクやウエーディングで釣ることができます。

 スティルウオーターのボートのセッションでは他チームの選手と二人1組で1艇のボートに乗って釣りをします。同じく試合時間は3時間です。

 

ドライフライ、ニンフ、ストリーマーなどフライ選びや釣り方は自由。

 釣り場の種類にかかわらずドライフライ、ニンフ、ウエットフライ、ストーマーなど釣り方は自由。ポイントは、釣ってネットに入れた20cm以上のマスの尾数(基本の得点になる)に”さ長”に応じて加点される仕組みです。

 河川でも湖でも、選手には常時コントローラーと呼ばれる監査が随行し、マスのさ長の計測、釣り場での不正の有無などをチェックします。昨今の大会では1日に5つのセクター(会場。川や湖など)で1セッションのみ行なわれ、計5日間開催されます。

 5日間の合計点がその選手の個人成績です。そして選手5人の合計点の合算で、その年の世界大会の優勝国が決まるという仕組みです。

 気になる今回の試合の5つのセクターですが、1つがリザーバーのボートフィッシング、残り4つが川のウエーディングの釣りです。ポイントの対象になる魚種についてはセクターのページをご覧ください(種類多すぎ!)。今年は世界各国から31のナショナルチームが出場します。5日間の試合のリザルトは左の公式ウェブサイトに日々アップされる見込みです。

 

日本のアングラーが知らない世界のマス釣りの現在。

 いささか乱暴な言に聞こえるかもしれませんが、実際のところ本大会こそ、地球上のF.F.によるマス釣りの”今”を牽引している最大の震源地といっても過言ではありません。マス釣りが好きなフライアングラーなら知っていて損はありません。注目していないなんてもったいない。日本人が大好きな”アメリカ”を例にあげてご説明しましょう。

 ”震源地”の証左の一つが新製品です。日本のフライアングラーはMade in U.S.A.の釣り道具が大好きですが、欧州諸国に比べ米国は、本大会のような競技にかんしていえば後発と目されている国です。それでも、フック1本からフライロッドまで、昨今は米国ブランドのマス釣り道具の新製品に競技由来のものがとてもたくさんあります。

 また、日本の場合、輸入代理店の担当者が知らない、あるいは釣り方や使い方がわからないなどの状況があれば、とうぜん小売店の店主にも知らされていません。そのためコンシューマーが知らないだけで「競技で生まれたものだったんだ」という商品がたくさんあります。

 近年米国のほとんどのロッドメーカーが、ユーロニンフ・ロッドや、コンペティティブなスティルウオーター用ロッドを設計・販売するようになりました。各種フライラインも同様です。これらについては日本でももはや周知のとおりですが、震源地はすべてコンペティションなんですね。

 米国メディアではどうでしょうか。70年代から日本がお手本にしてきた米国メディアの一つ「FlyFIsherman」誌も、昨今マス釣りのメソッドの解説記事や動画では、チームU.S.A.出身者や現役の選手を頻繁に起用しています。選手へのインタビューなど音声のみのpodcastもたくさんあります。

 また他の先進国各国と同様にユースのナショナルチームによるアングラーの育成もさかんになり、彼らは12歳から世界大会に出場しています。ユースがある国にはマス釣りの未来がある! 子どものF.F.など話題にすらのぼらないどこかの国とは大違いですね。

 そう。米国のマス釣りは確実に変わっています。でも、地球上にはマス釣りの実際が30年前とほとんど変わっていない国があります。日本を筆頭に、台湾や韓国など、アジア圏の国です。日本といえばメディアや業界は本大会にほぼ知らんぷりを貫いています。この風潮、何が原因なのでしょうか? 

 現在メディアに露出中のマス釣りの”名手”とされている日本の著名人やフィッシングガイド、メーカーや小売店さんなど業界関係者の皆さんにポロシリから提案が一つ。ぜひこの試合にエントリーして世界の舞台で力を発揮し、プロモーションの推進力になさってみてはいかがでしょうか。

 なんてったって「XXX大会で⚫️位になった原動力と言えるロッドがこれ、ラインがこれ、フライがこれ、テクニックがこれ」みたいなストーリーは”推し”に説得力がある。売れることまちがいなし、です。そして、子どもたちが育っていけば、日本のフライフィッシングの未来、マスが生息する環境の未来に着実につながります。興味のある方はぜひ!