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39th FIPS-Moushe World Fly Fishing Championship 2019 その2

リザルトから透けて見えること

 近年における本大会の強豪、表彰台の常連チームといえば、フランス、スペイン、チェコ共和国の三ヵ国です。ウィキペディアの記事の表組みでもわかるよう、この三ヵ国の強さといったらない。

 会場はEU圏でもなく南半球のオセアニア、完全なアウェイでの試合となった今回も、いかんなく力を発揮しています。また、試合初日から最終日まで、ハイランドのリザーバー3会場では、終日、異常気象を思わせる凄まじい強風が吹き荒れた(かの地の暦では初夏であるにもかかわらず、初日のリトルパイン戦は猛吹雪に)のですが、想像を越えるような悪天候でもその強さに変わりがないことを見事証明してみせました。

 

 一方で、日本のフライアングラーになじみの深い、いわば英語圏の国がどうだったかといえば……。

 日本のお隣、アメリカ合衆国は6位に終わりました。補足ですが、同チームの選手で過去に表彰台に絡んだことのあるコンペティター2人も、今回の個人戦では共に10位にすら入賞することができず無念の敗退。

 続いて、期待された地元オーストラリアが7位、8位がイングランド、タスマニアのお隣、ニュージーランドは13位でした。

 

 昨今、湖のボートフィッシングに強い選手を擁してきたチームといえばイングランドですが、5試合中、湖のボートフィッシングが3試合を占めた今回の個人戦を制したのは、大会の常連であるイングランドの選手でした。

 また、本大会の優勝候補の一人と目されていた、日本でも知る人の多い地元タスマニアの名ガイド、Christopher Bassanoさんは個人戦30位に終わっています。編集者的感覚でいうなら、今回の敗因について詳しくインタビューしたい人の一人です。叶うなら、この5日間に何があったのか、試合当日の状況を思い出しながら、詳しく聞いてみたい。

 

 ともあれリザルトだけを見てもいろんなことが見えてきます。ヨーロッパ勢が強いことはもちろんですが、これまで私たち日本人のフライフィッシングにいちばん関わってきたであろうアメリカ合衆国が、こと競技、こと世界大会においては、いまだ強豪国とはいえない点もそうです。このデータは、さまざまなキーワードが読み取れること請け合い。興味のある方は、今一度ご覧ください。

 さて、今大会で日本人中首位に立ったのは、過去に世界大会はもちろん、オセアニア大会、NZ大会の出場および優勝経験など、国際大会の出場経験豊富なNZ在住のフィッシングガイド、Nさんでした。本大会は最終80位に止まりました。

 国際大会初陣となった私の個人戦は、ファイナル90位(日本人中2位)に終わりました。(続く)

試合会場の一つとなったミアンダーリバー。セッション3日めに訪れた川。初めてドロー(抽選)に恵まれそこそこのビートに。6尾を手にし、セクター内で7位につけた思い出の川。LONGEST FISH(さ長争い)では、セクターで首位だったのですが(笑、肝心なのはやっぱり尾数です。写真をクリックすると当日のリザルトに移動します。
試合会場の一つとなったミアンダーリバー。セッション3日めに訪れた川。初めてドロー(抽選)に恵まれそこそこのビートに。6尾を手にし、セクター内で7位につけた思い出の川。LONGEST FISH(さ長争い)では、セクターで首位だったのですが(笑、肝心なのはやっぱり尾数です。写真をクリックすると当日のリザルトに移動します。